年末年始ひたすら自宅サーバーいじってたので「自宅サーバー環境を構築してみたい」と考えている方向けに、NUCとProxmoxを組み合わせた事例を紹介します。 初心者でも導入しやすい理由や、実際に使ってみて感じたメリットなどを解説するので、これから自宅サーバーを立ち上げようと思っている方の参考になれば嬉しいです。

NUCとは

NUCはIntelが提唱した超小型PCのフォームファクタでIntelの純正NUCは撤退してしまったのだけど、主に中華系のメーカーがNUC規格の低価格ミニPCをたくさん出していて、アリエクに限らずAmazonでもN100系のCPUのものが2万円前後で手にいれることができる。

もともと自宅Kubernetesに興味があって色々調べる中で、よく自宅サーバーのイベントを開いている富士通のスライドでNUCの存在を知って以来、ずっと気になっていたのだけど、中華ミニPCをついにブラックフライデーで購入して自宅サーバーで運用している。

神棚に座する美しい配線。サーバールームどこかに作りたい。

ハイパーバイザーとしてProxmoxを入れる

自宅サーバー勢はまずハイパーバイザーとかいうのを導入するらしい。ハイパーバイザーとは仮想化プラットフォームのなんかかっこいい呼び方のことらしい。サーバーに直接色々ぶち込むよりもリソース最適化ができたりルーティングが楽になったりといろいろ得するっぽい。

ハイパーバイザーとは?をわかりやすく解説 | Red Hat
ハイパーバイザーとは、仮想マシン (VM) を作成し、実行するソフトウェア。仮想マシンモニターとも呼ばれ、同じ物理マシン内で複数の異なる仮想環境を実行し、管理します。

無料のハイパーバイザーとしてvSphereとProxmoxが人気だったが、vSphereは2024年に無償版が提供終了になったのでProxmox一択になっている。

Proxmox Server Solutions
Proxmox develops powerful and efficient open-source server solutions like the Proxmox VE platform, Proxmox Backup Server, and Proxmox Mail Gateway.

Proxmoxのインストールは基本的に次の記事に従えば簡単にできる。

冬休みに作るミニPC自宅サーバー上級編、SSD+メモリ増設で最新Proxmox VE 8.1環境を堪能する!【イニシャルB】
先々週の本連載「冬休みに『初めての自宅サーバー作り』を、1.8万円で買ったN100ミニPCにCasaOSをセットアップ」の続きで、N100搭載ミニPC「GMKtec NucBox G3」を、本格的な自宅サーバーとして強化してみた。手のひらサイズの本体内にストレージ1TBとメモリ16GBを詰め込んで、複数のサーバーを動かしても耐え得る環境を用意した。

インストールが終わったときにerror: no suitable video mode found. booting in blind mode というエラーが画面に表示されて非常に困ったのだが、どうもこれは接続したディスプレイがゲーミング対応でややこしいだけだったっぽい。インストールは正常だったのであとは電源に刺したまま運用してローカルのWebUIで運用できる。

Proxmoxを購入して実感したメリット

  • 1. 仮想環境をインスタントに作ったり壊したりできる
    • GUIでポチポチするだけで、サーバー環境を何度でも気軽に作り直せる
    • 物理機器の準備や配線作業が不要で、時間の節約に
  • 2. ローカルネットワークとの親和性が高い
    • Proxmox上の仮想マシンは通常のデバイス同様にIPが割り当てられる
    • IP振られてるので静的DNSレコードで名前解決できる(例:proxmox.home)
    • Cloudflare Tunnelを使えばインターネットから自宅サーバーへ安全にアクセス可能
  • 3. コミュニティ製のスクリプトが充実
    • Proxmox VE Helper-Scripts」でコピペするだけで一発でセルフホスト環境を構築可能
    • Helper-Scriptsに登録されていないものは、scriptでDocker環境をまず構築してそこからDockerで導入という2ステップで大体いける
    • OSSの大半が簡単に導入できるため、試したいものがあればすぐに着手できる
Proxmox VE Helper-Scripts
A Front-end for the Proxmox VE Helper-Scripts (Community) Repository. Featuring over 200+ scripts to help you manage your Proxmox VE environment.

現在走らせているサービス

毎日何かしら入れて試しているので動いているVM/LXCは15個くらいになった。個々のOSSの紹介は別記事にしたい。

さすがに10個くらいのときから8GBだと心もとなくなってきたのでRAMを認識可能な最大である32GBのものに換装した。これで動かなくなってきたらProxmoxノードを増やして拡張していけるのもよい部分。

今後やりたいこと

  • Proxmoxで試しているセルフホストOSSはここでも紹介していきたい
  • 物理NASか仮想NASを加えてメディア系をローカルに集約したい
    • 特にSONY版nasneは近いうちにサポート終了するので録画体制を刷新したい
  • ローカルLLMを稼働させる
    • CPUガン積みマシンかGPUが必要になるだろう
    • Apple Siliconが案外コスパいいらしいのでMac miniも気になっている
  • シェアハウス生活を便利にする組み合わせを考える
  • 個人用と住民用でネットワークを分ける
  • サーバールームちゃんと作りたい

もし他にも気になるOSSや、試してみたい構成があれば、ぜひコメントで教えてください!